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09月05日-03号

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  1. 宇城市議会 2019-09-05
    09月05日-03号


    取得元: 宇城市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-08-22
    令和元年 9月 定例会(第3回)          令和元年第3回宇城市議会定例会(第3号)                          令和元年9月5日(木)                          午前10時00分 開議1 議事日程 日程第1         一般質問2 本日の会議に付した事件 議事日程のとおり3 出席議員は次のとおりである。(22人)  1番 原 田 祐 作 君          2番 永 木   誠 君  3番 山 森 悦 嗣 君          4番 三 角 隆 史 君  5番 坂 下   勲 君          6番 高 橋 佳 大 君  7番 髙 本 敬 義 君          8番 大 村   悟 君  9番 福 永 貴 充 君         10番 溝 見 友 一 君 11番 園 田 幸 雄 君         12番 五 嶋 映 司 君 13番 福 田 良 二 君         14番 河 野 正 明 君 15番 渡 邊 裕 生 君         16番 河 野 一 郎 君 17番 長 谷 誠 一 君         18番 入 江   学 君 19番 豊 田 紀代美 君         20番 中 山 弘 幸 君 21番 石 川 洋 一 君         22番 岡 本 泰 章 君4 欠席議員はなし5 職務のために議場に出席した事務局職員の職氏名 議会事務局長    吉 澤 和 弘 君   書    記    西 村 光 代 君6 説明のため出席した者の職氏名 市長        守 田 憲 史 君   副市長       浅 井 正 文 君 教育長       平 岡 和 徳 君   総務部長      成 松 英 隆 君 企画部長      中 村 誠 一 君   市民環境部長    稼   隆 弘 君 健康福祉部長    那 須 聡 英 君   経済部長      坂 園 昭 年 君 土木部長      成 田 正 博 君   教育部長      吉 田 勝 広 君 会計管理者     横 山 悦 子 君   総務部次長     天 川 竜 治 君 企画部次長     杉 浦 正 秀 君   市民環境部次長   松 川 弘 幸 君 健康福祉部次長   西 岡 澄 浩 君   経済部次長     黒 﨑 達 也 君 土木部次長     梅 本 正 直 君   教育部次長     豊 住   章 君 三角支所長     原 田 文 章 君   不知火支所長    濵 口 博 隆 君 小川支所長     篠 塚 孝 教 君   豊野支所長     園 田 郁 夫 君 市民病院事務長   伊 藤 博 文 君   農業委員会事務局長 白 木 太実男 君 監査委員事務局長  山 本 裕 子 君   財政課長      木見田 洋 一 君               開議 午前10時00分             -------○------- ○議長(長谷誠一君) これから、本日の会議を開きます。             -------○------- △日程第1 一般質問 ○議長(長谷誠一君) 日程第1、一般質問を行います。順番に発言を許します。 まず、11番、園田幸雄君の発言を許します。 ◆11番(園田幸雄君) 皆さんおはようございます。会派彩里の園田でございます。通告に従い、一般質問を行います。 初めに、先の九州北部豪雨災害で被災された方々に心からお見舞い申し上げます。 さて、宇城市は平成の大合併から14年経過しました。スケールメリットを求めての合併であったと思います。そんな時期に夕張市問題が発生しました。炭鉱閉山による急激な人口減少、まちの存続をかけた観光施設建設などにより財政が悪化しました。それに加えて意図的な財務処理、赤字隠しにより、赤字が著しく大きくなって、平成19年3月に財政破綻いたしました。国は第2の夕張問題が起きないよう、平成19年6月に地方公共団体財政健全化に関する法律を公布しました。 そこで、宇城市におけるそれぞれの財政指標についてお伺いいたします。 後は、質問席で行います。 ◎総務部長(成松英隆君) 財政指標についてのお尋ねということでお答えしたいと思います。 まず、平成30年度決算における各財政指標の数値等についてお答えいたします。 まず、財政力指数について説明いたします。財政力指数は、その市町村の財政力の強弱を表すもので、毎年度の行政活動に必要な経費をどの程度自力で調達できるかを示したものです。この数値が高いほど財政的にゆとりがあることを示しますが、この数値が1を超える場合は、歳入が歳出を上回っていることになり、普通交付税の不交付団体ということになります。 平成30年度における宇城市の財政力指数は0.4で、県内14市の中では9番目に位置しております。 次に、経常収支比率です。経常収支比率は、市税など常に見込める収入と公債費、いわゆる借金ですね、など常に支払う必要がある支出を比べたもので、この割合が高いほど自由に使える資金が少ないということになります。 平成30年度における本市の経常収支比率は95.1%で、県内14市の中では10番目となります。14市の平均は94.3%となっており、14市の平均より若干高めの数値となっております。 続いて、健全化判断比率です。健全化判断比率には、実質赤字比率連結実質赤字比率実質公債費比率、将来負担比率という4つの指標がありますが、実質赤字比率連結実質赤字比率の2つの指標については、平成30年度決算において、黒字となり該当しませんので、説明は省略させていただきます。 実質公債費比率は、毎年安定して得ることができる収入に対する公債費の占める割合で、数値が小さいほど必要以上に借金をしすぎていないというものです。一定基準がございまして、25%を上回ると市債の発行が制限されますが、本市は、平成30年度10.2%という結果で、県内14市の中では12番目に位置していますが、前年度からは0.9%改善しているところです。 将来負担比率は、借金の返済など既に将来支払うことが確定している金額などを含めた事実上の総負債の残高が、1年間の収入総額に対しどの程度の割合かを示したものであり、数字が小さいほど将来の負担が少ないということになります。 平成30年度決算では5.4%と、前年度から20.7%改善し、県内14市では6番目に位置しております。 続いて、標準財政規模の状況に入ります。標準財政規模とは、家庭でいう年間所得のことで、市税などのように、その市町村が毎年安定して得ることができる収入の規模のことをいいます。 平成30年度は171億5,500万円という結果で、県内14市の中では5番目の財政規模となっています。 続いて、地方債残高について説明します。地方債は、生活の基盤となる道路や学校などの施設を整備する際に、財源として市が借り入れる長期の借金でございます。 平成30年度末での地方債現在高は354億8,800万円となっており、県内14市では4番目に多い結果となっています。 ただし、人口一人当たりの地方債現在高は、宇城市一人当たり596万円で14市の中では8番目となり、中位に位置している状況です。 最後に、基金現在高の状況について説明します。平成30年度普通会計決算における基金現在高は、財源調整機能を有する財政調整基金や減債基金、その他全ての特定目的基金を含め142億9千万円となっております。 家庭でいう、いわゆる預貯金に相当するものとなりますが、積立額の県内14市の状況では、上から4番目に多い数値となり、人口一人当たりの積立額でも、一人当たり24万円で、総額同様に4番目に位置している状況です。 ざっくり申し上げますと、貯金が142億円に対して、ローン残高が2.5倍の354億円あるということでございます。 平成30年度決算等における財政指標の状況の説明は、以上でございます。 ◆11番(園田幸雄君) ただいまの答弁では、財政力指数は0.4です。県内14市の中では9番目です。ちなみに隣の宇土市は0.51で3番目であります。本市は宇土市ほど余力がないのが分かります。 次に、経常収支比率では95.1%で、県内14市の中で10番目に位置しています。これも自由に使える資金が少ないと考えます。宇城市は総じて財政指数は改善されていますが、県内14市の順位では余り変動がないようです。これはほかの市でも改善が進んでいる結果だと考えます。 次の質問に入ります。地方債残高について質問いたします。財政指標の中で地方債残高について県内14市の中で4番目に多いという説明がありましたが、確かに高いと思います。今後の将来負担や財政運営、また発行期限の延長がなされた合併特例債の活用方策についてお伺いいたします。 ◎総務部長(成松英隆君) 御指摘のとおり、熊本地震発災以降、復旧・復興等の事業に係る地方債の発行額が大きくなり、地方債現在高も増加している状況となっています。 地方債残高が増え続ければ、財政負担の増加、また財政運営における健全化判断比率等の悪化も懸念されるところでございますが、これまでも、国・県の補助事業や、有利な地方債の活用による財源確保、様々な行財政改革による歳出縮減などに取り組み、普通交付税段階的縮減への対応や財政調整基金の積み増しなどの健全化に努めてまいりました。 また、復旧・復興事業をはじめとする地方債の借入れも、真に必要な事業に対する財源確保であり、国・県の補助金等を可能な限り活用したのちに、特に有利な起債を財源としています。 このため、地方債残高は増加しているものの、実質的な市の将来負担につきましては、先ほど将来負担比率の説明でも申しましたように、年々改善しているところでございます。 これは、以前に借りた交付税措置の低い地方債が順次減っているとともに、残高としては増加しているものの、そのほとんどが合併特例債など、交付税措置が高い地方債が占めておりまして、交付税算入額を除く実質的な負担を少なくしているところでございます。 また、合併特例債の活用についても、平成30年4月、合併特例債の発行期限を再延長する改正特例法が施行されたことにより、令和6年度までの活用が可能となっております。 合併特例債は、交付税措置として7割が補填され、新しいまちづくりのために必要かつ有効な財源となりますが、事業によっては、その他の交付税措置が有利な地方債もございます。 合併特例債を効果的に活用できるよう、また令和6年度までという期間、また発行限度額を踏まえつつ、その折々で最も有利と考えられる地方債を使い分けていくことが、後年度における財政負担の軽減にもつながるものと考えられます。 今後も引き続き、将来負担の軽減も踏まえ、元利償還、地方債現在高には注意しつつ、真に必要な事業への財源として、効果的な地方債の活用を図ってまいりたいと考えております。 ◆11番(園田幸雄君) 自主的な財政健全化の取組により、財政状況は確実に改善されてきています。しかし、宇城広域連合での浄化センター建設クリーンセンター建設などの大型起債事業公債費負担、また合併特例事業債を活用した大型事業も予定されています。熊本地震からの復旧・復興はもちろんのこと、これからの少子高齢化社会の進行、人口減少問題、社会経済の状況などを考えると、決して安心できる状況ではありません。今後も引き続き、自主財源の確保や災害時の緊急的財政出動に対応するためにも、有利な地方債などを活用することで、最小の経費で最大の行政サービスができるよう、なお一層の財政健全化への取組を要望して、次の質問に入ります。 現在、社会問題になっているひきこもりについて質問いたします。本年3月に国、内閣府が初めての全国調査の結果から、40歳から64歳までのひきこもりが全国に613,000人いるという推計値を発表しました。中高年のひきこもり問題が表明しました。そのような中、本年5月に神奈川県川崎市では、登校中の小学生が刃物で切り付けられ、2人が殺害される通り魔事件が発生しました。加害者は長い間ひきこもり状態であったと報道されました。また、6月には東京都練馬区で、元農水省事務次官がひきこもりの長男を殺害する事件が起きています。 そこで、本市の実態と対策についてお伺いいたします。 ◎健康福祉部長(那須聡英君) ひきこもりとは、仕事や学校に行けず家にこもり、家族以外とほとんど交流がない状況を指しまして、厚生労働省はこうした状態が6か月以上続いた場合を定義としています。 全国での数値については、園田議員が話されたとおり、全国で40歳から64歳までのひきこもりが推定613,000人いると発表されています。内訳としましては、趣味の用事のときだけ外出する人が248,000人、近所のコンビニなどに出かける人が274,000人、自宅からほとんど出ない人が91,000人となっています。 本市においては、ひきこもりの数は確認しづらく、具体的数値の把握ができていないのが現状でございますが、社会福祉協議会へ委託しております生活困窮者自立支援事業において、今年度は9人の方からひきこもり関連の相談があっております。相談内容により、本人の状態に応じて医療機関へつなぐのか、福祉制度を利用するのか、あるいは就労準備支援をするのか等を判断しながら経済的自立社会的自立に向けた支援を行っております。 今後の対策につきましては、民生委員の方々と連携し情報収集を行い、まずは実態把握をして支援につなげていきたいと考えております。 また、生活困窮者自立支援事業において、ひきこもりの状態にある方やその家族への支援に向けて、より相談しやすい体制とするため、ひきこもり相談窓口を整備するとともに、県の相談窓口である熊本県ひきこもり地域支援センターとの連携を図ってまいるところでございます。 ◆11番(園田幸雄君) ひきこもりについては、今後、本市でも大きな課題になると懸念されます。事件を未然に防ぐのも行政の仕事だと思います。これからも社会福祉協議会や民生委員、区長と情報を共有しての対応を要望して、次の質問に入ります。 さしより野菜推進について質問いたします。本市の健康課題であるメタボリックシンドロームの該当者や予備軍が年々増加しています。それに比例して、高血圧者や糖尿病疾患患者が増加しています。また、県の健康食生活に関する調査によると、宇城市民の食べる量が、県平均を大きく下回る結果が出ました。これらのことから食事において、まず野菜から食べることで血糖値の急上昇を防ぎ、動脈硬化や糖尿病などの予防につながる、さしより野菜推進がスタートしました。現在の進捗状況と効果検証についてお伺いいたします。 ◎健康福祉部長(那須聡英君) まず、事業取組のきっかけと現在の進捗状況についてお答えをいたします。 本市では、全ての市民が健康で明るく元気で生活できる社会の実現に向け、生活習慣病の予防に重点をおいた健康宇城市21計画を策定し、市民の健康づくりを推進しております。 一方で、特定健診における高血圧、糖尿病、メタボリックシンドロームの該当者の割合はなかなか減少までには至らず、大変苦慮しているところでございます。 そこで、全国でも注目を集めた東京都足立区が取り組んでいる糖尿病の重症化対策の事例を参考に、本市独自の「さしより野菜・たっぷり野菜」の事業計画を策定し、昨年度から本格的に事業を展開しております。 昨年度の実績としては、さしより野菜協力店29店舗の認定をはじめ、さしより野菜キャンペーンの実施、ベジワンコンテストの開催、ANAクラウンプラザ熊本ニュースカイホテルと連携したオリジナルレシピの開発、各行政区での健康教室・栄養教室、事業協力団体の視察研修など様々な事業や啓発活動に取り組んできました。 本年度は協力店の認定件数の目標を50店舗とし、令和4年度までには100店舗を目指します。今後も、引き続いて協力店や関係団体と連携し、地域一体となった取組を実践していきます。 また、さらにさしより野菜事業の認知度を高めるため、各種事業やイベント等をとおして、周知啓発に努めてまいります。 次に、効果検証についてですが、本年5月から7月の健康診断結果説明会に参加された1,606人の方々を対象に、さしより野菜の認知度及び実践に関するアンケート調査を実施いたしました。その結果、事業の認知度については、「知っている」と答えた方が全体の78%でございまして、男女別に見ると男性の方が低く、20代の男女及び30代の男性の認知度が低いという結果でございました。また、実践度としては、男性より女性の方が実践している人が多く、実践していない人の割合が一番高かったのが、30代の男性で36.4%という結果でした。 このことを踏まえ、市主催の健康に関するイベントや、集団健診、健康・栄養講座等に参加された方がポイントを獲得し、一定数のポイント到達時点で特典がもらえる仕組みとする健康ポイント事業を、本年11月から開始する予定としております。 ポイントの獲得方法は紙カードによる方式に加え、携帯電話を利用したアプリ方式を導入することで、認知度・実践度ともに低かった20代から30代世代の行動変容と、健康に対する意識高揚を促し、健診受診率の向上及びさしより野菜事業の推進を図ってまいります。 さらに、将来的には各事業の効果検証を基に、健康寿命の延伸及び医療費の上昇抑制へとつなげてまいるところです。 ◆11番(園田幸雄君) これからも認知度、周知を高めていただき、協力店の拡大や関係各団体と連携して、市民の健康的な生活習慣の改善に向けての各事業の推進を要望いたします。 次に、市長は、さしより野菜を実践されていると聞いておりますが、成果はいかがでしょうか。 ◎市長(守田憲史君) さしより野菜、実践して1年半になります。日赤の血液検査では、全部正常の範囲内に入ってしまいまして、体重も4㌔減りました。いいことばかりでしたが、ゴールデンウィークとお盆の食べ過ぎで3㌔元に戻りました。また今後努力してまいります。是非、さしより野菜、効果が上がっております。どうぞ今後とも御協力をよろしくお願いします。 ◆11番(園田幸雄君) 市長職は激務です。継続は力なりと申します。健康に留意されて市のトップリーダーとして今後ますますの御活躍を念じております。よろしくお願いします。 それでは、次の質問に入ります。豊川幹線道路について質問いたします。この道路は豊川地区を南北に貫く基幹道路です。一般車両の通行量も多く、また小中学生の通学路としても重要な役割を果たしています。最近では、土羽、のり面の崩壊が進んでいます。道路改修に向けて数年前に豊川地区連絡協議会からも要望書が提出されています。昨年、この道路の東松崎地区で路肩が崩れている水路に、中学生が転落する事故が2件発生しています。非常に危険な状態であります。今後の整備方針についてお伺いいたします。 ◎土木部長(成田正博君) 豊川幹線道路は、松橋町砂川から東松崎へ豊川地域の中心部を南北に貫きます砂川五丁川線、それと南豊崎松橋線であります。豊川幹線道路沿線には、砂川公民館豊崎公民館東松崎公民館がありまして、小中学生の通学路としても利用されている豊川地域の重要な生活道路と認識をしております。 現状といたしましては、道路幅員が4㍍から5.5㍍程度で、道路沿いの水路はほとんどが未整備であり、道路路肩のり面を侵食し、部分的に車の離合にも支障を来たしている箇所もあります。 また、先ほど議員が話されましたとおり、通学生の水路への転倒といった情報も聞いております。早急な対応も必要と考えますが、豊川幹線道路沿線地域におきましては、国営ほ場整備の計画区域であります。豊川北部地区南豊崎地区、浅川地区、事業の推進が行われる予定でございます。 今後の豊川幹線道路の整備方針としましては、国営ほ場整備事業と連携を図りながら設計等を見据え、整備方針を見定めていく必要があると考えます。また、道路路肩が崩れている箇所につきましては、応急的な木柵工を実施したり、道路路肩の保全に努め、通学または道路利用者の安全確保に努めていきたいと考えております。 ◆11番(園田幸雄君) 来年3月には、この道路を横断する長崎久具線が開通します。さらに交通量の増加が見込まれます。この路線は、国営ほ場整備事業の計画区域であり、事業と連携を図り整備することは理解いたしますが、整備には約5年以上かかることが予想されます。その間の道路路線の保全に努めていただき、しっかりとした安全確保を強く要望して、次の質問に入ります。 国営ほ場整備事業の農業用水、園芸用水について質問いたします。国営によるほ場整備事業は、計画どおり順調に進んでいるものと思います。今回の整備区域は、旧干拓地であるので、排水対策はもちろんでありますが、農業の生命線である農業用水も欠かせません。本市には大きな河川がなく、慢性的な農業用水不足が続いております。農業用水の確保はどうなっているのか。また、一部で利用されている氷川かんがい排水年間給水量や取決め事項など、どうなっているのかお伺いいたします。 ◎経済部長(坂園昭年君) 国営によるほ場整備事業は、現在地区調査の最終年度にあたり、令和2年度から実施に入る見込みであります。 整備計画における農業用水の確保対策ですが、既存の水利である河川やため池の用水を十分活用できるよう、用排兼用水路から反復利用させ、パイプライン化して用水を供給します。 また、施設園芸用水については、休眠中の上水道施設の地下水が農業用に活用できないか調査を行っています。 御質問の氷川かんがい排水は、県の許可を経て水利使用規則に則り、昭和60年度から下益城南部土地改良区が使用しています。 規則により最大取水量が定められており、時期によって量は違いますが、年間最大取水量に換算しますと約300万㌧になります。ちなみに、近年の使用量は約183万㌧です。 また、取決め事項としては、最大取水量のほかに、取水量の測定を行うことや、かんがい面積265㌶に減少が生じた場合の変更許可申請などが定められています。 ◆11番(園田幸雄君) その氷川かんがい排水施設園芸用水に利用することはできないのか。また、過去に計画があった釈迦院ダムが中止になった経緯についてと、緑川用水を再度事業化できないかお伺いいたします。 ◎経済部長(坂園昭年君) 氷川かんがい排水は、下益城南部土地改良区が小川町の一部と松橋町の一部に使用しています。施設園芸用水とするためには、下益城南部土地改良区の承諾とともに、県にかんがい面積の変更申請を行い、許可を得ることが必要であります。 また、釈迦院ダムは、事業主体の県が地質調査等の詳細な検討を進めた結果、地質状況が予想以上に悪く、この処理等のために事業費が増大することから、費用に見合う効果が得られないこと。また、治水対策としてはダム建設よりも河川改修が有利となることが判明しました。 このため、県はダム事業の継続は困難と判断し、平成15年度の県公共事業評価監視委員会にダム事業の中止を諮問するとともに、その意見を伺って中止を決定したと聞いております。 なお、緑川用水は、これまで50年以上にわたり、調査、検討、中止を繰り返してきました。昭和46年3月に完成した緑川ダムの総貯水量4,600万㌧のうち、かんがい用水1,000万㌧をめぐり、近隣市町から要望が上がるものの、緑川本流地域からほかの地域への分水については条件が整わないため、事業実施に至っておりません。
    ◆11番(園田幸雄君) 今回の国営ほ場整備地域は平坦地であり、施設園芸が最も盛んな地帯でもあります。良質な園芸用水が必要であります。緑川用水の引込みも含めて、今後、市としての農業用水・園芸用水確保対策について、市長に見解を求めます。 ◎市長(守田憲史君) 市の農業発展のためには、農業用水の確保は欠かせないものと十分認識しています。緑川用水の引き込みが可能かどうかは分かりませんが、国営ほ場整備事業も始まります。このとき、すぐに緑川ダム1,000万㌧について要望を上げたところでございます。しかしながら、慣行水利権その他の中でかなり厳しい状況にあることも事実でございます。今後も何としてもこの機会に、農業用水の確保についても研究を重ね、国・県とも協力し、改善に向けて最大限の努力いたします。 ◆11番(園田幸雄君) 何と言っても本市の基幹産業は農業であります。農業の百年の大計、将来はこの国営ほ場整備事業の農業用水・園芸用水対策にかかっていると言っても過言ではないと思います。再度の緑川用水の事業化を要望して、次の質問に入ります。 近年、農地について相続が発生しても、登記名義人が変更されずに権利関係が不明確となるケースが多くなっており、担い手への農地の集積・集約化を進める上で阻害要因となっているとの指摘があります。国の調査では、約458,000㌶の未登記農地があり、全農地面積の約2割になっており、遊休農地が約54,000㌶との報告がありました。そこで、本市の現状と対策についてお伺いいたします。 ◎農業委員会事務局長(白木太実男君) 未登記農地についてお答えいたします。 近年、先ほど園田議員が話されたとおり、農地につきましては相続が発生しても、登記名義人が変更されず、権利関係が不明確となるケースが多くなっておりまして、担い手への農地の集積・集約化を進める上で阻害要因となっております。 平成28年農林水産省による相続未登記農地等の実態調査結果において、本市では、相続未登記が12,398筆で1,188㌶でしたが、令和元年8月末現在では12,684筆で1,215㌶と微増しております。 これまで、相続未登記農地の確認につきましては、登記簿や固定資産課税台帳または戸籍などで確認していますが、共有者を探そうとしても数代にわたって探すのがかなり困難であったり、共有者を見つけ出して過半の方の同意を得たとしても、5年間しか利用権設定ができないなどの問題点がありました。 そこで、平成30年の農業経営基盤強化促進法等の一部改正によりまして、共有持分の過半を有する者の同意を得た場合の利用権設定期間の上限が、5年から20年と大幅に長期化されました。また、共有者(相続人)の1人でも簡易な手続きで農地中間管理機構に貸付けできるようになりました。 所有者が誰も分からない農地を農地中間管理機構へ貸し付ける場合も、農地法による裁定制度が活用可能となりまして、本制度も探索範囲の簡素化や利用権の期間の長期化が措置されて使いやすくなりました。 このように、農地中間管理機構が利用権を取得しまして、担い手に貸し付けることにより、所有者不明の遊休農地が活用されることになると考えております。 ◆11番(園田幸雄君) 本市でも相続未登記が年々増加しているようです。昨年、農業経営基盤強化促進法等の一部改正によって、ただいま説明がありましたとおり、担い手への貸付けが容易になりました。遊休農地の解消のためにも是非しっかりとした周知を要望して、次の質問に入ります。 市民マラソン大会開催について質問いたします。来年2020年には56年ぶりの東京オリンピックが開催されます。日本人で初めてオリンピックに出場したマラソンの父と言われる金栗四三氏をモデルとした大河ドラマ「いだてん」が放映されています。健康づくりと地域活性化を図るために、全国各地で数多くのマラソン大会が開催されています。 そこで、県内のマラソン大会と本市の状況についてお伺いいたします。 ◎教育部長(吉田勝広君) 県内のマラソン大会や駅伝大会につきましては、各市町村で開催をされておりまして、マラソン大会においては3㌔から5㌔の短い距離から、ハーフマラソン、それからフルマラソンの長い距離までの多くの大会が開催をされております。有名な大会としましては、天草パールラインマラソン大会や熊本城マラソン、それから金栗杯玉名ハーフマラソン大会、横島町いちごマラソン大会などがございます。 駅伝大会では、熊日女子駅伝や熊日男子駅伝など、市町村の代表者が出場する大会もありますが、マラソン仲間が出場できる大会、熊本リレーマラソンや合志市カントリーパークリレーマラソンなどが開催されているところでございます。 市内で開催をされておりますマラソンの大会ですけれども、小川町のコスモスジョギング大会、不知火町の宇城市ロードレース大会、豊野町の桜マラソン大会などがございます。 それから駅伝大会では、三角町のみすみランラン駅伝大会、不知火町のデコポン駅伝大会、松橋町のリレーマラソン大会などが開催されている状況でございます。 ◆11番(園田幸雄君) マラソンは走る楽しさ、完走した後の爽快感、まさにスポーツの持つ醍醐味でもあります。先の熊本城マラソンでは14,000人、天草パールラインマラソンには約5,000人など、全国各地からの参加者があります。本市でも旧町ごとにロードレース、駅伝、リレーマラソンなどが開催されています。本格的なマラソン大会は、知名度や観光そして産業振興に好影響を与えます。スポーツを通じて、市民の健康づくりを提供するのも行政の努めであろうと考えます。マラソン大会の開催について教育長の見解を求めます。 ◎教育長(平岡和徳君) ただいま紹介がありましたように、市内で開催されておりますマラソン大会は、約2㌔㍍から8㌔㍍と比較的市民が参加しやすい距離で、その健康づくりのために行われている大会となっております。 新しくマラソン大会を開催するにあたりましては、まずコースの選定、開催時期、またハーフマラソンやフルマラソンとなりますと、距離が長くなる分、大勢のスタッフの確保が必要になるかと思われます。 このようなことで、その大会の開催にあたっての課題は多いところでございますけれども、園田議員がおっしゃいましたように市民の健康づくりや交流人口拡大のため、こういったものを念頭におきまして、今後前向きに研究してまいりたいと思っております。 ◆11番(園田幸雄君) 課題は多いことは十分に理解しています。しかし熊本城マラソンや天草パールラインマラソンには、多くのスタッフが動員され活躍しています。できない理由を考えるのではなく、どうしたらできるか、できる方法を考えてほしいと思います。本市単独でできないのであれば、宇土市、美里町との広域連合での開催を提案して、次の質問に入ります。 次に、学童スポーツについて質問いたします。部活動から社会体育に移行して5か月が過ぎましたが、いろいろと課題、問題点があろうかと思います。また、部活動では、九州大会、全国大会に補助金を支給されていましたが、今回の学童スポーツクラブではどうなるのか。それから、学童スポーツクラブは、地域で育てなければなりません。市民の理解と広報「ウキカラ」などでの周知が必要と考えますが、答弁を求めます。 ◎教育部長(吉田勝広君) 本年4月に、小学校の運動部活動が社会体育に移行いたしました。5か月を経過いたしたところでございます。 県の方針では、市町村は、引き続き委員会を設置して、スポーツ活動の様々な課題について、解決に向けた取組を進めるとうたってございます。市では、宇城市学童スポーツクラブ推進委員会を設置し、その第1回の会議を4月22日に開催をいたしました。 その中で出た主な意見につきましては、施設の使用について、他のクラブとの調整が難しい、新入部員の募集のタイミングが難しい、継続した指導者の確保などというのがありました。これらの解決策として事務局から提案をし、推進委員の皆さんからも解決策についての御意見をいただいたところでございます。 次回は、9月末をめどに推進委員会を予定いたしております。それぞれが持つ課題及び対応策について、意見や情報交換を行っていく予定であります。 次に、部活動補助金に関してでございますけれども、市の学童スポーツクラブの活動指針に基づいて設立した学童スポーツクラブにおいては、部活動補助金を継続した形で支給をしたいと思っております。 その補助金の内容としましては、1つが、1年目に限って設立補助金として1クラブ30,000円を支給いたします。この補助金は、新たに設けた補助金でございます。 また、部活動の運営に支給をいたしておりました運営補助金も、従来どおり継続して支給をいたします。 それと、県の予選を経て出場する九州大会、西日本大会、全国大会にも、部活動の補助金を従来どおり継続した形で、大会出場補助金ということで支給をいたします。 学童スポーツクラブは、地域の指導者の皆様により子どもたちの運動できる環境をつくっていただいております。市内に、現在17のクラブが設立をされておりますが、今後、その活動状況や指導者の紹介など広報うき等で周知する予定でございます。 ◆11番(園田幸雄君) まだスタートしたばかりで、何かと課題は多いと思いますが、子どもたちの健全育成のためにも、学童スポーツクラブ推進委員会と密に連携を取っていただき、子どもたちの夢、思いに応えていただきたいと思います。 次の質問に入ります。熊本県博物館ネットワークセンター多目的広場について質問いたします。この多目的広場は、平成27年10月にオープンしました。年々利用者が増加していると思いますが、現在の東側ソフトボールコートと西側の活用状況について。また、東側ソフトボールコートの利用は少ないように思いますが、何か対策はないのかお伺いいたします。 ◎教育部長(吉田勝広君) 熊本県博物館ネットワークセンター多目的広場は、議員からありましたように、平成27年10月から利用が開始され、1周740㍍のコースは、ウォーキングやジョギング、西側の芝生広場は、グラウンドゴルフやサッカーの練習などに利用されております。東側のソフトボールコートについては、キッズサッカーなどに利用されていますが、おっしゃるとおり、少ない状況にあります。 昨年の利用状況におきましては、グラウンドゴルフやサッカー、キッズサッカーの練習などで年間約3,600人。また、ウォーキングやジョギングなどの利用は年間約33,500人、一日平均しますと約90人程度と多くの皆さんが利用されております。 ウォーキングコースの利用が多い理由としましては、ゴム製の柔らかい素材で整備をされており、足腰にやさしく、また午後10時まで明かりがついているため、市民の皆さんが健康づくりのために利用されている状況にございます。 対策につきましては、現在、多目的広場東側から希望の里への道路整備が行われております。令和元年度の末頃には、暫定的に通行が可能となり、将来的には多目的広場への利便性がよくなってまいります。 多目的広場は県の施設でありますので、整備におきましては県との協議が必要となってまいります。 現在は、県の委託を受けまして、多目的広場の借用についてはスポーツ振興課が行っており、公園管理は都市整備課が行っているところでございます。 今後、利用者の増加を図るためのスポーツイベントの開催においては、例えばキッズサッカー大会や多目的広場だけでなく、希望の里まで含めたところのクロスカントリー大会や駅伝大会などの新しいイベントによる利用者の拡大が図れないか、研究をしてまいりたいと考えております。 ◆11番(園田幸雄君) 多目的広場は市民スポーツのメッカとして、子どもから高齢者まで集える最高の広場です。好評であるウォーキング・ジョギングコースは、今後も大いに利用していただき、課題である芝生広場やソフトボールグラウンドの利用度の向上拡大を要望して、時間はありますが、私の一般質問を終わります。 ○議長(長谷誠一君) これで、園田幸雄君の一般質問を終わります。 ここでしばらく休憩します。             -------○-------               休憩 午前10時52分               再開 午前11時05分             -------○------- ○議長(長谷誠一君) 休憩前に引き続き、会議を再開します。 3番、山森悦嗣君の発言を許します。 ◆3番(山森悦嗣君) 皆さんおはようございます。議席番号3番、会派彩里、山森悦嗣でございます。先月8月28日、九州北部を襲った猛烈な雨で犠牲になられた方々の御冥福をお祈り申し上げます。そして、被害に遭われた多くの方々に心よりお見舞い申し上げます。 それでは、通告に従い一般質問を行います。宇城市消防団についてです。私は、昨年度をもって宇城市消防団を退団しました。30年間にわたり、消防団員の1人として活動してきました。振り返ってみますと、まさに平成の時代を消防団員として活動してきたと思うとともに、長いようで短かった気がしています。もちろん入団したときは、右も左も分からなかったことも記憶しております。地域の先輩に育てられ、その後は後輩を指導していく立場になって、多くのことを気付かされることもたくさんありました。中でも地域のつながりが一番に大きかったと感じています。だからこそ熊本地震のときも、団員の中には自ら被災しているのにもかかわらず、団員みんなが心をひとつにしてそれぞれの地域で活動をしてくれました。それもこれも日頃からの訓練で指導していただいた南消防署職員のおかげでもあり、また消防学校では多くのことを学ぶことができ、実際に活かせたことでした。 そのようなことを踏まえて、消防団への負担にもつながってきております、会議、訓練、火災、風水害時などの活動を行った際に、費用弁償が一律2,000円支払われますが、火災・風水害あるいは行方不明者捜索などは、会議時と比較すると規模や状況により、拘束される時間や危険性が異なると思われます。そこで、増額できないか質問します。 後は、質問席にて質問を行います。 ◎総務部長(成松英隆君) 山森議員の長年の消防団活動、大変お世話になりました。ありがとうございました。 それでは、質問にお答えしたいと思います。消防団は、御案内のとおり、火災発生時の消火活動や地震等の災害発生時の安否確認や避難誘導、見回り等のほか、平常時には火災・災害予防のための広報活動や地域行事への参加など、幅広い場面で地域社会に大きく貢献しているところでございます。また、非常時に即応するために、日頃から厳しい訓練にも取り組んでおられるところでございます。 地域における消防防災のリーダーとして、平時・非常時を問わず地域に密着し、市民の安心と安全を守るという重要な役割を担っておられまして、市民生活には、なくてはならない大きな存在であると考えています。 御質問の費用弁償の件でございますが、本市は、現在一律一日当たり2,000円ということで支給しております。昨年平成30年は、火災15回の出動をはじめ、災害、広報、会議等に合計160回、延べ9,200人の出動に対し1,840万円の費用弁償を支出しております。平成28年の地震の年でございますが、310回、延べ17,600人の出動に対しまして3,520万円、その翌年平成29年は180回、延べ12,400人の出動に対し2,480万円を支出しております。熊本地震後、3年4か月が経過しており、発災時に比べ出動回数も大幅に減少していると見受けられるところでございます。 県内の自治体の状況でございますが、会議、訓練、火災、災害発生など、出動の目的に応じて金額に差を付けているところもございます。例えば、会議は1,000円、訓練は1,500円、火災は2,000円という市町村もございます。また、本市のように会議、訓練など一律でいくらと金額を定めているところもございます。金額は、県内では1,000円から2,600円と様々でございまして、支払いの単位は1日当たりまたは1回当たりと規定してあり、火災で日をまたいだ場合は2日分支給する自治体も存在しております。 本市は、行方不明者の捜索については、出動日数に応じて支給をしていますが、火災は、発災の状況等も含めまして、日をまたいだ場合でも現在は1日とカウントして支給しているところでございます。本市で支給している2,000円につきましては、県内14市の中では比較的上位の金額と捉えているところでございます。 このことから、費用弁償の増額につきましては、日をまたいだ火災につきましては、規模、活動時間等を勘案しまして、改善に向け研究していきたいと考えているところでございます。 ◆3番(山森悦嗣君) 費用弁償の増額については、日をまたいだ火災、規模、活動時間帯等を勘案して改善に向けて研究していくとの答弁でした。今後に向けて考慮していただきますよう強く要望しておきます。先ほど申したとおり、熊本地震で消防団員にもかなりの負担がかかったことや、小川町で起きた木材所の火災で、昼夜にかけてそれも非常に暑い中、必死な思いで消火活動にあたってくれた団員の方々のことを思うと、せめて非常事態のときでも出動手当の見直しでも考えていただけたらと思う次第です。ましてや少子化の一途を辿る中、団員の勧誘さえもなかなかできない班や、あるいは勧誘に行っても断られるケースもあると聞いております。消防団員は今後減少し、さらに自然災害は時代とともに何か進んで進化しているように感じております。 次に、消防団長の報酬額について質問します。私は、昨年度まで宇城市消防団の副団長を務めていましたが、消防団長の出席する行事の多さに驚いています。団長については、会議、火災、自然災害、消防署の主催する各種行事、市の各種団体の役職等、多岐にわたる出動が多いと思いますが、報酬について今後増額できないか御質問します。 ◎総務部長(成松英隆君) 先ほどの繰り返しになりますが、消防団は、市民の安心と安全を守るという重要な役割を担っておられます。市民生活になくてはならない存在であります。その消防団員の指揮命令を行うのが消防団長でございまして、その重責は、大変頭が下がる思いであります。と同時に、消防団活動だけでも生業の傍ら、年間40日以上出動されている状況にあります。 御質問は、団長の報酬を検討してほしいとのことですが、現在の団長の報酬を県内自治体で比較してみますと、他の自治体は75,000円から200,000円の範囲でございます。本市の団長の報酬額は163,000円で、上から3番目に位置しているところでございます。 また、本年4月に、市長宛に総務大臣書簡がまいりまして、地域防災力の充実強化と併せて、消防団員の年額報酬や出動手当の改善のお願いが明記してございました。今後、その趣旨も踏まえまして、報酬や出動手当またその他の活動にも、その他活動補助金というのを支出しておりますので、これらを総合的に捉えまして、県内の類似団体や近隣市町の動向を見据えながら、消防団員全体の処遇改善について研究を進めてまいりたいと考えております。 ◆3番(山森悦嗣君) 本年4月26日に、市長宛に総務大臣書簡がまいっているとのこと。地域防災力の充実強化と併せて、消防団員の年額報酬や出動手当の改善願いが明記してあったとのことですが、市長はこのことについていかがお考えでしょうか。 ◎市長(守田憲史君) 消防団員の活躍は十分に理解していますし、中でも、消防団を牽引する団長の御苦労には心から敬意を表します。 この質問の団長の報酬額についてですが、総務部長が答弁しましたとおり、団長だけではなく、消防団員全体として捉え、今年度は山森議員の御要望もありましたように6月補正で活動服購入費3,400万円を追加いたしております。これは、団員の安全確保や活動の充実に配慮したものです。 また、報酬だけではなく、出動手当・活動補助金を踏まえた上で、消防団の処遇について、今後考えていく必要があるかと考えます。今年は3,400万円の予算で、どうぞよろしくお願いいたします。 ◆3番(山森悦嗣君) 市長が6月補正で英断され、活動服を購入するとして3,400万円を追加されました。それに対して深く感謝申し上げます。また、議員の皆さんの承認も得て、この活動服ができたことも本当に皆さん方にも心から感謝申し上げます。市長は、先ほど今後消防団の処遇について考えていく必要があるとの答弁、是非、前向きに考えていただきますようよろしくお願いします。消防団員は、地域と密着しており、これまでもなくてはならない組織であったと思います。これからもそれは変わらなくて、なくてはならない組織であると同時に、人が人を育てていく役割を今後も必ず果たしていくものと信じております。 それでは、次の質問に入ります。光通信について質問します。光通信の進捗状況についてです。宇城市光通信網整備事業についてお尋ねします。市長が昨年9月の定例会にて英断され、本年度にて取り組まれておられる宇城市光通信網整備事業ですが、全域が整備地域であった豊野地区の住民の方も、整備されることを大変喜んでおられると思います。いまやブロードバンド通信網は生活に必要不可欠なものとなっており、単に家庭や企業でネットサーフィンや電子メールなどを行うだけでなく、これからは防災分野や農業分野、観光分野などの地域の活性化や地域の課題の解決には、高速大容量の通信環境整備が非常に有効であると思います。 そこで、本年10月から工事が始まる予定と宇城市の広報紙に記載されていましたが、現在の進捗状況はどのようになっているのかお尋ねします。 ◎企画部長(中村誠一君) それでは、まずこの事業の概要について説明いたします。 この宇城市光通信網整備事業につきましては、現在、光ファイバーケーブルの未整備地域である三角町の郡浦・大岳地域、それから不知火町松合地域及び豊野町の全域を対象としまして、民間事業者であるNTT西日本が、総務省の無線システム普及支援事業費等補助金と宇城市からの補助金による支援を受けて、高速・大容量無線局の前提となる光ファイバーケーブル等の整備を実施するものです。この整備によりまして、令和2年の春をめどに、市内のほぼ全域におきまして、民間事業者が提供する光ブロードバンドサービスが受けられるようになる予定となっております。 この事業の進捗状況という御質問ですが、宇城市では、本年4月初旬にありました総務省からの事業採択の内示を経て、公募型プロポーザル方式によりまして、本年5月末にNTT西日本熊本支店を実施事業者ということで決定しております。 その決定を受け、実施事業者のNTT西日本熊本支店から総務省に補助金の交付申請がなされ、総務省の交付決定があったのち、今度は宇城市に補助金の交付申請をされ、宇城市の交付決定後に事業に着工される予定となっております。 NTT西日本によりますと、当初の予定では、総務省の補助金の交付決定が7月中にはあると見込んでおられましたけれども、現時点では、まだ総務省からの交付決定がNTT西日本には届いていないということです。 この交付決定の遅れに伴いまして、工事開始の時期は、当初の予定より若干の遅れがあるかもしれないとのことですけれども、工事完成時期はあくまでも当初予定していた来年3月末の予定であるということで聞いております。 NTT西日本としては、交付決定が出れば、できるだけ早く工事ができるよう事前の準備を進めているということです。 ◆3番(山森悦嗣君) 今の答弁で、8月20日時点では総務省からの交付決定を待っている状況との答弁でした。進捗状況については分かりました。 次にまいります。光通信の更新、災害時の復旧についてお尋ねします。光通信の整備後において、整備の更新時や災害復旧時にその費用を地元が負担しなければならないと聞いたことがあります。そのようなことがあるのかをお伺いします。 ◎企画部長(中村誠一君) 光通信網の整備につきましては、3つの方法・やり方がございます。 まず1つ目が、公設公営方式です。この方式につきましては、地方公共団体等が自ら光通信網を整備し、所有して、運営・サービス提供までも行う方式ということです。この場合は、電気通信事業者の認可を国から得る必要があり、運用開始後も自治体が維持管理等を行うことになります。 次に、2つ目が公設民営方式です。これにつきましては、地方公共団体等が光通信網を整備、所有した上で、民間電気通信事業者に運営・サービスの提供を任せる方式になっております。この場合、設備の維持管理は地方公共団体等が行うことになりますけれども、運用開始後も設備のメンテナンスが必要となり、維持費が掛かるようになります。 3つ目が、民設民営方式であります。これにつきましては、民間電気通信事業者が光通信網を整備、所有して、運営・サービス提供まで全てを民間事業者が行うという方式です。地方公共団体等が民間電気通信事業者補助金の支援を行う場合も、この方式に含まれております。 御質問の光通信網を整備した後の費用負担はどうなるかということですけれども、これにつきましては、今回の宇城市の光通信網整備事業では、3つ目の民設民営方式にて整備を行います。したがいまして、民間電気通信事業者であるNTT西日本が、光通信網を整備、所有し、運営・サービス提供までの全てを行う方式となっております。 ただ、今回の事業につきましては、初期の整備に掛かる多大な費用を考慮すれば、民間事業者の事業採算に合わないという理由でこれまで整備されていなかったという経緯がありました。そこで、初期の整備に掛かる費用分を総務省と本市で支援しようとするもので、設備自体がNTT西日本の所有ということで、整備後の維持管理もNTT西日本が行い、将来施設が老朽化した場合の更新費用、それから災害によって施設が被災した場合の復旧費用についてもNTT西日本が負担します。個人の引込みに係る初期費用を除いては、地元が負担することは一切ないということになっております。 今のNTTの電話回線と同じ扱いということで考えていただいて結構かと思います。 ◆3番(山森悦嗣君) 3つ目の民設民営方式との答弁で安心しました。 そこで、再質問します。今年度の当初予算に、宇城市の負担額が補助金として3億2,220万円計上してあったが、その後において金額の変更はなかったかお伺いします。 ◎企画部長(中村誠一君) 議員のおっしゃるとおり、今年度当初予算に補助金として3億2,220万円ということで計上しております。こちらの金額は、業者からの概算見積りを根拠に計上した金額でありまして、総務省の補助事業に全国から多数の応募があった場合を想定して、作業員の人員の確保とか資材不足による資材価格高騰を加味して算出した金額でありました。 しかし、今年度の光通信網整備事業に係る実際の応募件数につきましては、NTT西日本が想定した件数の半分ほどに終わったということで、作業員の人件費や資材費につきましては通常の価格で調達可能となりました。そういったことで、宇城市の負担額につきましては、当初の予算額の半分以下の1億4,500万円ほどになる見込みであります。 しかし、まだ先ほど申しました総務省の交付決定が来ておりませんので、あくまでも現時点での見込みということで御理解をお願いいたします。 ◆3番(山森悦嗣君) 分かりました。あくまでも現時点での見込みということでしたが、当初予算額の半分以下の1億4,500万円の見込みになるとのことです。宇城市にとりましても、多額の負担額削減につながり非常によかったと思っております。たくさんの方からの御要望でしたので安心しております。もちろん豊野町以外、三角町郡浦・大岳地域、不知火町松合地域の方々も喜んでおられると思っております。本来ならもう少し早くと考えますが、熊本地震が起きてから、守田市長が復旧・復興を最優先に取り組んで来られたのも十分承知しております。結果的に現時点での削減にもつながり非常によかったかと思っております。 それでは、次に進みます。3番の仮設住宅についてです。現在の仮設住宅の入居状況についてお伺いします。平成28年4月に発生した熊本地震から3年以上が経過しました。誰もがこれまでに経験したことがない強い揺れと生命の危機を感じたことと思います。宇城市におきましても、家屋被害としてり災証明書発行ベースで全壊住戸539戸、大規模半壊住戸362戸、半壊住戸2,034戸と市全体で3,000戸近い住戸が半壊以上の被害に遭っております。 このような中で、被災者の住まいの確保対策として、早期から民間賃貸住宅等によるみなし仮設住宅での支援と建設住宅の定義として、災害のための住戸を滅失した被災者については、応急的に避難することとなり、避難所は一時的に受け入れるためのものであることから、その期間も短期間に限定されるもので、住戸が滅失した被災者のうち、自らの資力では住宅を確保することができない被災者に対し、簡単な住宅を一時的な居住の安定を図るものであると理解しております。 本市における建設型応急仮設住宅は、発災後に被災者のニーズや地域性を考慮した中で、木造による住宅176戸の整備がなされました。 建設型応急仮設住宅の設置から3年を経過している現在、本市における建設型応急仮設住宅の入居状況をお伺いします。また、現在入居されている方々の今後の再建予定についてもお伺いします。 ◎健康福祉部長(那須聡英君) 本市における熊本地震発災後の建設型応急仮設住宅については、原則として宇城市地域防災計画に掲載されている候補地を基本に、その候補地の被災状況を考慮した上で、市内6か所に176戸が整備をされました。 住まいが半壊以上の被災者の入居ニーズを把握して、発災直後から県との連携の下に建設に取り掛かり、当初は空き室がない状況でしたが、発災から3年以上が経過した現在、被災者の自主再建も徐々に進み、本年8月末現在において46世帯の99人が入居されている状況でございます。 また、現在入居されている全ての世帯について、市及び地域支え合いセンターの再建支援により、自宅再建や災害公営住宅への入居が決定しているところでございます。 ◆3番(山森悦嗣君) 分かりました。そこで再質問します。災害救助法第4条に規定されている応急仮設住宅の供与期間は、その建設工事が完了した日から2年以内であり、その根拠としては、応急仮設物としての耐用年数並びに建築基準法第85条の規定により、同法の適用を受けない仮設建築物として存続できる期間あるいは大規模な災害を除けば、この2年間に一般的な恒久住宅の建設が可能であるなどを考慮した上で定められたものであると理解しております。 また、熊本地震が特定非常災害の被害者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する法律の適用を受けたことにより、仮設住宅入居者の入居期限が延長されております。 先ほどの答弁の中で、現在、建設型応急仮設住宅に入居されている46世帯の再建先は決まっているとのことで、ひと安心しております。その時期がいつ頃になるのかお伺いします。 ◎健康福祉部長(那須聡英君) 宇城市内での全ての仮設住宅の入居期限である建設から3年が経過しようとしている現在において、全ての応急仮設住宅入居世帯は次の住まいが決まっております。 被災者の皆様が仮設住宅に入居された直後から、宇城市地域支え合いセンターの職員を中心に、入居者の生活再建を支援しており、現在入居中の世帯は、自宅再建予定で自宅の完成待ち、または災害公営住宅入居決定者で当該住宅への入居待ち世帯となりまして、遅くとも令和2年度末までには全ての仮設住宅入居者が次の住まいへと移転される予定でございます。 なお、経済的理由や生活環境上の理由により、民間賃貸住宅や災害公営住宅への入居条件に該当しない被災者のために、御領仮設住宅、曲野長谷川仮設住宅等を宇城市再建住宅として整備しております。 ◆3番(山森悦嗣君) 分かりました。被災者の皆さんが仮設住宅に入居されてから、宇城市地域支え合いセンターの職員の方々の努力があり、令和2年度末までには仮設住宅入居者が次の住まいへと移転されるとのこと。そして、何より経済的理由や生活環境上の理由で、民間賃貸住宅や災害公営住宅として整備してあるとのことで安心しました。 それでは、次に移ります。前の質問の答弁では、民間賃貸住宅や災害公営住宅の入居要件に合致しない被災者のために、御領仮設住宅や曲野長谷川仮設住宅等を宇城市再建住宅として整備されているとのことでした。 応急仮設住宅は、あくまでも被災者が恒久住宅へ移行するまでの仮住まいであるということで、本市において早くから災害公営住宅の整備に着手されていますが、御領・曲野長谷川等以外のこの木造仮設住宅について、入居者が全て退去された後の有効活用の見解をお伺いします。 ◎健康福祉部長(那須聡英君) 本市で整備した6か所、176戸の建設型応急仮設住宅については、いずれも県産材を活用した木造平屋住宅であり、木造が有する防音・断熱性に優れた性能を有しております。 このようなことから、平成30年3月に策定された宇城市復興まちづくり計画では、御領・曲野長谷川・井尻の3仮設住宅について、現地で市営住宅としての利活用が予定されており、現に、宇城市再建住宅として活用中及び活用予定でございます。 なお、グラウンド敷地に整備された当尾・豊野仮設住宅については、グラウンドに復旧するため、一旦現在地から撤去を行いますが、その後の有効活用については、今後協議・検討してまいります。 ◆3番(山森悦嗣君) 熊本地震から3年が経ち、宇城市内6か所に176戸建設した仮設住宅は、現在入居が残り46戸とお聞きしました。恒久的な住まいの確保の点では、地震からの市民の再建が進んだと思っております。中でも豊野町の仮設住宅も残り5戸となっています。残っておられる方の再建先も決まっているそうで安心しております。 豊野町は人口減少、特に若年層の人口減少の問題を抱えております。仮設住宅に住んでおられた方がふるさと豊野を後にし、再建先を町外にし、豊野を出られた方もおられると聞いています。 そこで、豊野町にあるキャッスル響原団地は、子育て支援住宅として人気があるとお聞きしております。仮設住宅の場所は、保育園、豊野小・中学校も徒歩圏内にありますので、木造仮設住宅を活用して、子育て支援住宅として使用できないか御検討のほどをお願いしたいが、どのように考えておられるかお尋ねします。 ◎土木部長(成田正博君) 応急仮設住宅の活用についてでございますが、現在、市が管理します住宅は1,400を超えております。市の人口規模におけます適正数よりかなり多い状況になっております。そのようなことから豊野町の仮設住宅は、宇城市復興まちづくり計画の当初の計画どおり、解体撤去してグラウンドに復旧することとしております。 しかし、敷地はグラウンドとして復旧いたしますが、建物自体は住宅として十分に再利用が可能であります。また人口規模における住宅の適正数より宇城市は多いということを考慮し、また人口維持のためにも豊野小・中学校の徒歩圏内にあります豊野支所東側、市営糸石団地もかなり古うございます。現在は、政策空き家としております。応急仮設住宅は現在は県の所有でございます。そういった糸石団地の状況を踏まえまして、その空きスペースに移しまして、老朽化した市営住宅の建替えとして再利用ができないか検討したいと考えております。 ◆3番(山森悦嗣君) 当初の方針との答弁でした。グラウンドに仮設住宅が建てられており、ボールなどが飛んでこないようにネットが張られてあります。これまでボールが飛んできて被害があったとは私自身も聞いておりませんが、今後そのような被害も無きにしもあらずと思っております。現在、建てられている仮設住宅も3タイプあると伺っております。その中でも狭い部屋があると思います。その辺のところをリフォームして、そして今検討中であります市営糸石団地の所有地空きスペースに是非再利用していただくよう要望させていただきます。 大分時間が残りましたけれども、これで私の一般質問を終わらせていただきます。 ○議長(長谷誠一君) これで、山森悦嗣君の一般質問を終わります。 ここでしばらく休憩をいたします。             -------○-------               休憩 午前11時46分               再開 午後 1時00分             -------○------- ○議長(長谷誠一君) 休憩前に引き続き、会議を再開します。 12番、五嶋映司君の発言を許します。 ◆12番(五嶋映司君) 皆さんこんにちは。日本共産党の五嶋映司です。議長のお許しを受け一般質問をいたします。 先の6月議会以降にも、日本の政治にはいろいろの動きがありました。7月に行われた参議院選挙、その結果には、大きな変化はなかったとも言う人がいますが、自民党は今回の参議院選挙で単独での過半数を割り込むと同時に、前回の2016年の選挙で得た改憲勢力の3分の2の議席、これをもこの選挙で失ってしまいました。にもかかわらず、自民党安倍政権は、憲法9条を変えて戦争をできる国への動きを強めています。これに呼応して国防予算は、第二次安倍政権誕生後、6年連続で過去最高を更新しています。また、来年度は一機140億円を超える戦闘機を100機以上も購入する予定が組まれ、兵器の爆買いではとも言われて、その要求額は5兆3千億円を超えています。戦艦の空母化への動きなどを含め、攻撃的整備は止まるところを知りません。 またこの8月は、終戦記念日の月でもありました。大戦後72年を迎える悲惨な戦争の経験を後世に伝え、再び戦争の起きない世界を求める月でもあります。私は戦中の昭和18年生まれですから、直接の戦争の記憶はありませんが、戦後の食糧や物資不足のときの供給制度や豊肥線で復員兵で混雑する汽車に乗り合わせたこと、朝鮮戦争の影響か空を飛ぶ双胴の飛行機グラマンを不安な気持ちで眺めたことを記憶しています。また同級生には父親を戦争で失ったり、周りの家には遺族の家のプレートが貼られた家がたくさんありました。私の父も軍事産業の中心であった会社での過酷な労働がもとでの戦争中の病死でした。こんな経験をした者として、今の政府の動きにはすごく強く警鐘を鳴らしたいと思います。 また、今貧富の差の拡大の広がりが大きな問題になっています。これを象徴するかのように、先月8月の財務省の発表によれば、平成18年度の大企業の内部留保は、これもまた過去最高を更新し448兆円、国家予算の4年分以上にも達しています。この中で、10月からの消費税の増税です。複雑な仕組みに対する中小業者や消費税の戸惑いと同時に、更なる格差拡大を助長しないか心配でなりません。こんなときだからこそ地方自治体が防波堤となって、地域住民の生活を守る施策を実行することを強く求める立場で、実質的な質問に入ります。 まずは、国保税について質問します。今議会に平成30年度国民健康保険特別会計の決算認定が提案されています。まず、この決算の特徴はどんなものかを伺いたいと思います。議論をする上で大事な基礎数字、国保世帯数と人数もついでに教えてください。 続いての質問は、質問席から続けます。簡潔明瞭な答弁をどうかよろしくお願いいたします。 ◎市民環境部長(稼隆弘君) 平成30年度の国民健康保険特別会計における決算状況は、収入済額85億9,762万5,029円に対し、支出済額85億2,008万6,706円となり、7,753万8,323円が差引残額となります。 これは、人口減少に加えて、高齢化による後期高齢者医療への移行等で国保加入者が前年度比約640人減少したことなどを理由に、保険給付費約8,500万円の減少などが影響したと考えられます。 また、歳入全体で約1億5,000万円、歳出全体で約1億円減少するなど予算規模自体が縮小しております。この原因については、平成30年度から県が保険者に加わる国保制度の改革があったため、予算費目が大きく変わっており、単純な比較ができず、詳細な分析は今後に待たれるところです。 ◆12番(五嶋映司君) 国保予算が、本来今まで90億円ぐらいあったんですね。それが85億円に減ってきている。それはいわゆる2025年問題じゃないですけども、高齢者がどんどん増えていくと同時に少子化が進む。そのために国保税が減ってきているという話でした。ところが、まずこの決算の中で特徴的なのは、前年度国保税を2年続けて引き下げましたが、まだ7,700万円の余剰金を生んできているというのがあります。そういう意味では、今説明の中にはなかったんですが、国保税そのものはその年によって事情が非常に違います。何か特別な事情、風邪がはやったり何か病気がはやったりなんかすると、すぐ赤字になったりすることがありますけれども、そういう特別な事情はなかったということだろうと思います。 それでは、お伺いしたいのは今回の国保税、平成30年度では7,700万円の黒字、前年度の問題を見てみますと、現在の国保税の財政調整基金いわゆる貯金にあたる部分が、今年度の決算を見ますと4億3,800万円程度ございます。そして今回の9月補正で4,100万円を積み立てる計画にしていますから、これは来年度の決算で出てくるんだと思いますが、今4億3,800万円程度の基金があるということがそれで間違いないかということと同時に、今、周りの国保税の会計では、ほとんどが赤字が多いんですね。宇城市も以前には2億円ほどの基金を持っていました。この基金も実は基準外繰入れでこの2億円をつくったという経緯があります。ところが今回は、それをやらなくても今回の基金ができてきているというような状況だと思いますが、今こういう状況の中で次の項に移りますが、国保運営で今基金がこれだけあって、このくらいできてきている。どういうことに気を付けながら運営をすることが必要なのかということの、国保運営に対する今の時点での執行部の方針がありましたら伺いたいと思います。 ◎市民環境部長(稼隆弘君) それでは、国保運営での現在の重点事項ということでお答えいたします。 市では、データヘルス計画に基づき、予防可能な脳血管疾患、虚血性心疾患、糖尿病性腎症の重症化予防を目標とし、健康づくり推進課と連携し、特定健診の受診による発症予防、重症化予防に取り組んでいます。 具体的には、健診未受診者への受診勧奨、健診結果による保健指導対象者への保健指導の実施、治療が必要な方への受診勧奨の徹底、治療中の方に対しては、医療機関と連携し保健指導を行っています。 一人当たりの医療費につきましても、平成29年度では39万8,736円と県内14市平均の40万8,677円より1万円ほど低く、低い方から5番目で、取組の成果が表れていると思っています。 今後も、特定健診の受診勧奨を行い、健診受診者数を増加させ、疾病の早期発見や重症化予防に努め、併せてジェネリック医薬品を推進し、更なる医療費抑制に努めてまいります。 ◆12番(五嶋映司君) おっしゃるように、まず医療費を何とか抑えたいと。これは今日の質問の中にもありましたけれども、まずはさしより野菜なんていうのも、1つのその一環だという位置付けで取り組んでおられるのは非常にいいことだとは思いますが、この中で今言われたような方策で、果たしてどの程度の効果を期待されるのか、これは非常に難しい問題ですけれども、払いたくても払えないという負担感の大きい国保税の問題です。執行部の運営の方法によっては、それが大きく変わるという要素もございます。今は国保運営協議会その他があって、運営方針をいろいろお決めになっていると思いますが、最大の課題は、今何だとお考えになっているのか、幅広い部分ではいろいろな問題があると思いますが、もし、その辺がありましたら教えていただければと思います。 ◎市民環境部長(稼隆弘君) 今後の課題ということでお答えします。 平成30年度から県が保険者に加わった国保制度は、保険税水準の県下統一に向けた過渡期になります。しかし、市町村間の医療費水準の格差が障壁となっているため、暫くの間は統一に向けて動きつつも、基本的には現行制度が維持されると想定しております。 この国保制度の改正内容の1つとして、医療費適正化や健康づくりに取り組む自治体等への財政支援として、保険者努力支援制度が創設されております。この制度の評価基準で大きな配点を得る項目の中には、市の健康増進事業計画であるデータヘルス計画に掲げている特定健診受診率や保健指導率も含まれております。 そこで、一応市ではこのデータヘルス計画を着実に実行し、受診率・保健指導率を向上させることを重点的な課題であると考えております。 このことは、保険者努力支援制度の評価点を上げることで歳入を増やし、同時に疾病の早期発見により発症や重症化を予防することで、医療費を抑制し、歳出を抑えることができます。 具体的には、健康づくり推進課との連携により、先ほど申し上げましたとおり、さしより野菜によるメタボや高血圧の予防、健診事業や保健指導等を継続実施してまいります。また、市民の健康意識を高め、健診受診率を上げることで、将来にわたる医療費抑制につなげるよう、情報提供や啓発活動にも力を入れていく予定です。 これらの取組により、保険税を軽減できるよう努めていきます。 ◆12番(五嶋映司君) 努力目標としてはおっしゃるとおりだと思うんですね。是非その辺をもう少し具体化しながら、現場に合った形での努力をしていただきたいと思います。国は今おっしゃったように、いわゆる介護保険もそうですけれども、どんどんインセンティブを国はこれに入れ込んでくる。頑張ったところは安くするよというような方法をやってきて、果たしてそれが本当に国保運営にとって正しいのかどうかという疑問点もあります。今言われたように、こういうインセンティブの部分については、しっかり議論しながら取り組んでいただきたい。下手すると、国保の加入者置きざりでどんどん進んでいってしまうという形にならないようにしていただくことをお願いしておきたいと思います。一層の努力をお願いして国保税を何とか引き下げるというか、安くできるような方法をお願いしたいと思います。 それでは、次の項に移ります。滞納状況についてまず伺います。この件は、今日先ほど山森議員が質問なさった部分と多少重複する部分があって、今国保世帯の貧困化といいますか、国保加入者の貧困化がどんどん進んでいる。200万円以下が目に見えて増えないにしても、2割を超えて少しずつ少しずつ増えていっているというような状況で、いわゆる2割、5割、7割軽減が、もうほとんどのところが軽減になっていないところが、ほんのわずかというような状況でも分かるように、貧困化が進んでいる状況です。そういう中での滞納状況、まずは滞納状況を経年変化で教えてほしいのと同時に、短期証・資格者証の発行数も是非教えていただきたいと思います。この問題は、山森議員の質問とダブっているというのは、国保税の滞納が、今の災害公営住宅の入居や公営住宅の入居に非常に大きな影響を与えるということもありますので、まずは経年変化と短期証・資格者証の発行を教えてください。 ◎市民環境部長(稼隆弘君) それでは、滞納状況についてお答えします。 平成30年度末の国保税の滞納状況としましては、市外居住世帯の233世帯を含み1,030世帯に滞納があります。 そのうち、平成30年度末において、短期証は358世帯、資格者証は41世帯に発行されています。 5年前と比べますと、短期証・資格者証ともに減少傾向でございます。資格者証は、児童生徒には厚生労働省からの通達により交付しないとなっておりますので、当該児童生徒への交付はございません。 経年につきましては、今資料がありませんので後でちょっと。すみません、短期証の5年前の比較は出ておりますのでお答えします。5年前は、短期証が705世帯です。資格者証が132世帯となります。それから減少傾向となっております。 資格者証の世帯における滞納額ということでお答えします。本税だけで多いところは4,257,797円、少ないところは24,100円となっております。 ◆12番(五嶋映司君) 今数字は出てきませんでしたが、滞納状況は年々改善しているんですね、少しずつね。本当はどんどん厳しくなるから国保の滞納世帯はどんどん増えているのかと思ったら、意外とそうではない。その辺の分析はあれとして、現在の状況では短期証が358、資格者証が41というような状況だそうです。この短期証については、今もう一度確認したいのは、短期証も届いてない世帯というのはないと思いますけれども、もしあったら後で教えてください。 それでは、この短期証で滞納世帯数が1,000世帯近くある。今国保世帯数が、先ほど聞きましたが教えてもらえなかったけど、国保世帯数が8,800世帯ぐらいですね。そうすると滞納は2割までいきませんけれど、かなりの滞納がある状況だと思います。その確認をした上で、この滞納が今一番問題になっている災害公営住宅や公営住宅、今仮設やみなし仮設に入っている人たちが災害公営や公営住宅に入りたいと思うときに、この滞納がどういう影響を与えているのか。先ほど健康福祉部長からの山森議員の答弁の中で、46世帯仮設においでになる方がいるけれども、この人たちの行き先は全部決まったという答弁がありました。ということは、46世帯の中には、理解の仕方によっては国保税の滞納はないのかなという疑問があります。しかし、数字的には国保税の滞納があるという数字があります。この国保税が仮設や災害公営住宅に入るみなし仮設の人が104件あるそうですが、この人たちの中にも滞納の人たちがおいでになります。土木部の報告によると、災害公営住宅181戸造りましたね、これは皆さんの希望数よりも多い数字が確保できたと。それと同時に井尻もそうでしたけれども、御領と長谷川は公営住宅に変えるということですから、総体としては200を超える公営住宅がこの災害に対応してできているという状況になるんですけれども、そのことに関して災害やみなし仮設に入っている人たちがそういう住宅に入れないという障害がないのかどうか確認をしておきたいと思いますが、どこで答えていただいたらいいのか。先ほど健康福祉部長が答えていたから、健康福祉部長にその辺の障害はないのかどうか、是非一番詳しいところだと思いますからお答えいただきたい。 ◎健康福祉部長(那須聡英君) 先ほどお答えをしたところですけれども、みなし仮設が104世帯、それと建設型の仮設住宅が46世帯ということで行き先は決まっておりますというような答弁をいたしました。義援金とか支援金が県から支給されておりますけれども、その辺で滞納をクリアされている方がほとんどでございます。それで行先がほとんど決まっているというようなところで、今のところ滞納世帯で市の復興住宅に入っておられるという世帯はないと思います。精神であるとかペットの問題で、民間の住宅にも入れないというような方で入居されている方は実績としてありますが、今現在滞納の世帯としては、入居はございません。 ◆12番(五嶋映司君) 非常に難しい答弁の仕方ですけれども、私のもらった数字の中には、災害公営住宅もみなし仮設も市税の滞納のある方がかなりのパーセントでおいでになるんですね。ところが今の答弁でいくと、そういう人たちもクリアされていると。それをクリアされているんだったら、あえてこの問題をとやかく言う必要はありませんので、クリアされているということで理解をしたいと思います。クリアされているということは、滞納の問題もどういう形でクリアするのかというのは、これは執行部の裁量の問題もあると思いますから、その辺はお任せしたいと思いますし、それと同時に保証人の問題もクリアされたんだろうと思います。今全県下では、災害公営住宅に入るときの保証人の問題と税金滞納の問題が、非常に大きな課題になっていますから、宇城市はいち早くその問題を、いろいろの問題がありましたけど解決の方法を見つけたという理解でよろしいだろうと思います。あえてこれに関しては答弁を求めません。そういう理解をして次に移りたいと思います。 それでは、今度は最初の問題にちょっと移りますが、宇城市には国保の財政調整基金が4億3,000万円近くあって、来年度は決算が出ないと分からないと思いますが4,100万円ぐらいの補正で基金積立を予定していますから、5億円までいかないにしてもそれに近い基金ができる。そういう想定の下に、質問をしたいと思いますが、今国保は前回の質問でも質問しましたが、国保税は非常におもしろい課税システムで、ほかの健康保険税の中には、所得のない人に健康保険税をかけるというシステムはありません。例えば、共済にしても組合健保にしても、そういう保険にはありませんが、国保だけに所得のない子どもたちに税金をかけるというシステムになっています。納税原則からすると、税は所得に対してかけるのが納税原則だと思います。このような不合理から、今、全国で急速にこの所得のない子どもたちの課税をすぐに無くすということはできませんから、そういう世帯に対して減免制度を設ける自治体が急速に増えていますが、宇城市の場合、国保税で所得のない子どもたちの国保税の減免制度をつくる場合に、どの程度の金額が必要なのかを教えてください。 ◎市民環境部長(稼隆弘君) 国保税の算定については、県が示すのは標準税率であり、その算定要素は各市町村で決定することとなります。 主に、被保険者単位である世帯割と所得割の2方式と、それに均等割を加えた3方式があります。市は、国保税の算定方式として、県の指針により標準方式と示された3方式を採用しております。 したがいまして、市の国保税には、資格者数である均等割額34,700円が含まれており、中には御指摘の18歳以下の資格者数、令和元年7月末で算定すると1,561人分の均等割額54,166,700円が含まれております。 また、この中には7割・5割・3割の軽減世帯も含まれているため、この軽減分を除き、実質的な税収を算定すると3,560万円程度になります。 ◆12番(五嶋映司君) ありがとうございました。これはよく計算してみると、もうこの中に3割、5割、7割軽減の世帯が入ったりして、かなり複雑な計算があって計算されたら3,500万円程度ということみたいですから、是非、ここでは財政調整基金の問題も含めながら今後検討していただきたいので、今3,500万円ぐらいで、この所得のない子どもたちにかけている税金を無くすことができるという答弁でした。宇城市は今回市長の英断もあると思いますが、国の制度、保育料無償化の流れの中での給食費の無償化を実現されました。そういう意味ではこれ非常にいい方式だと思います。これは保育園の運営者も、非常に事務的に大変なことだったんでしょうけども、それを完全に無料にしてしまうと非常に楽になる。ただ金額だけで楽にしたということじゃなくて、例えばその中の格差も無くなるし、非常にいい施策をなされたと思いますが、これも金額的にはこれに近い、もうちょっと大きかったかなという金額かもしれません。今出たような3,500万円前後の金額が出ていますが、今の国保運営、今後どうなるか分からないということもおっしゃるかもしれませんが、4億円から5億円近い基金がある中、このことを検討される余地はないかどうか、市長の御見解を。 ◎市長(守田憲史君) 五嶋議員の攻め方は上手ではございますが、大きなここで我々が気を付けないといけないことは、今回3億円相当が特別の交付税の形で交付税に入っているんでありまして、それを除くならば、基金は1億数千万円でございます。数年前には2億円をもう基準外で一般財源から繰入れしておりますし、4億円とか5億円とかいう数字がひとり歩きをしてもらうと大変困るところでございます。本来は1億数千万円、その中で今後熊本県に移管していくであろう国保、その中で今後宇城市のことを考えなければならないという点で、是非とも4億円5億円という数字が、ひとり歩きだけはしないようによろしくお願いいたします。 その中で、ちょっと五嶋議員の中で、先ほど所得のない方に課税をということでございますが、子ども、所得がない人に所得税をかけるわけではなく、保険税の掛け金をかけるんであって税金の徴収ではないというところです。ですから各家族の中で、例えば5歳、10歳、15歳の子どもが収入がないにしても、その人に国民保険の掛け金として人頭割としていただくというところで、税の徴収ではない。所得税と一緒にならんで議論してもらっては、ちょっと私としてもなかなか本質として違うんではなかろうかと考えるところです。しかしながら、今後、今回お褒めいただきました保育園での副食の無料化でございますが、これも保育園の民営化、その他の中でも財源もあるということを御理解いただきたいと思います。議論の中で、例えば宇城市の中で、公立保育園と公立幼稚園ばっかりであった、社会福祉法人はじめ民間の保育園、幼稚園がなかったならば、今回の保育園の無料化は国の補助は一切受けられないところです。ですから、これが全部が公立保育園、公立幼稚園であったならば、宇城市だけが保育園の有料化を無料化にはできなかった。そういうところもありまして、やはり国のある程度の方針も踏まえながら、体力のない宇城市でございますが、その中でいろいろ考えなければならないというところを御理解いただきたいと思います。 ◆12番(五嶋映司君) 国保税の問題は、今国が出しているのが3億円とおっしゃった。確かに今、国が国保税がきついので3,500億円を出している。その部分の効果が3億円ぐらいあるんだろうと思います。これは、基本的にそういう流れ、知事会もそういう要請をしていますし、これを全然別ものだと考える考え方もあるかもしれませんが、私はそれは違うんじゃないか、これは利用できる国保財政が厳しいために、国が出したお金の利用をすることに関しては問題じゃないんじゃないかということはあります。もっと議論したい部分が今たくさんありますが、時間がありませんので、次の問題に移ります。是非、子どものこの問題に関しては、人頭割、人頭税という話がありましたが、人頭税なんていうのは許せない税金ですから、人頭割はなるべくやめてほしいというのが私の持論です。あんまり言うとまた反論したくなりますから、次に移ります。 次は、三角西港について伺いたいと思います。まず、三角西港について第一に伺いたいのは、世界遺産登録の準備を含めて、もう5、6年くらいになるのかな、もう大分時間が経ちます。現在までに市が支出した総額は、まずはどのくらいになるのか伺いたいと思います。 ◎教育部長(吉田勝広君) お答えをいたします。まず、教育部における世界遺産登録のための推進費用として、平成23年度から平成27年度までの合計額は1億4,926万2千円となります。主なものとして三角西港国重要文化財詳細測量業務委託料及び三角西港文化的景観保存計画策定支援業務委託料並びに世界遺産登録推進協議会負担金などでございます。 なお、登録推進に伴う財源として文化的景観保護推進事業費国庫補助金など国・県補助金が3,345万1千円あっております。 また、登録後の平成28年度から平成30年度までの世界遺産管理費の合計額は2,866万1千円になります。うち国・県補助金が1,196万8千円であります。 なお、世界遺産登録推進から登録後の世界遺産管理費を合わせた額、平成23年度から平成30年度までの合計額は1億7,792万3千円となります。うち国・県補助金は4,541万9千円といった状況でございます。 ◎企画部長(中村誠一君) 続きまして、企画部所管の西港関連の事業費用ということで説明いたします。 浮桟橋待合所の建設、それから案内看板などのサイン工事等のハード事業のほか、観光ガイドの養成事業や遊覧船の運航、築港130周年記念イベントということで実施してまいりました。平成21年からこれまでの間に合計で5,400万円程度の支出をしております。 こちらの財源としては、地方創生先行型事業それから熊本県の地域づくり夢チャレンジ事業などを財源として活用し、自主財源等を極力抑えた形での事業で実施をしてまいりました。 ◆12番(五嶋映司君) 今のは、人件費が含まれていないんですよね、両方ともね。だから人件費が含まれるとどのくらいになるのかとなると、今おっしゃった約2億1千万円ぐらいですね、両方合わせると。それに人件費を合わせるとかなりの金額になるんだろうと思います。まずはそのことを置いといて、2番目に世界遺産指定後の三角西港の振興状況といいますか、どういう具合に世界遺産指定された後に、三角西港は変わったのかということを教えていただきたいと思います。 ◎企画部長(中村誠一君) それでは、平成26年度世界遺産登録後に西港への入り込み客数ということで、平成26年度は33万人でありましたけども、平成27年7月の世界遺産登録後は、その登録効果ということで50万2千人まで伸びました。しかしながら、その翌年度の平成28年度は熊本地震の影響もあって31万7千人、平成30年度は23万人ということで落ち込みました。率にしてピークから45%まで減少しております。 ◆12番(五嶋映司君) これは、確かに地震の影響もあったということはあると思うんですけれども、どうも危惧するのは、世界遺産登録は非常に文化財価値としては非常に大きなものだし、それを指定することは非常に大事だと思いますが、それを観光資源だとか地域活性化につなげようとなると、どうも一過性にすぎないような気がしてしょうがないんです。ほかの例なんかも1回聞きましたが、例えば頂いた資料によると、万田坑なんかでもかなり人間は減っているし、一番有名だった富岡製糸場、これは新聞テレビでも盛んに話題になりましたが、これは134万人いたのがもう今は半分以下になっているというような状況があるみたいですが、今の状況、これは観光客の訪問とあの西港の地域の経済浮揚というか、そういうことも含めてちょっと聞いておきたいのですが、これは今かなり減ってきた状況ですが、これは地震の影響によるのか、それともほかの周りの世界遺産と同じように経年変化でどうも自然に減ってきているのか。その辺はどういう具合に今市は判断をされているのか。それによって施策の打ち方が全然違うと思うんですね。その辺をちょっとお伺いしておきたいと思います。 ◎企画部長(中村誠一君) 今、五嶋議員おっしゃったほかの地域の件ですけれども、荒尾市の万田坑それから大牟田市の宮原坑が同じ遺産群ということで登録されました。そちらの方の数字を紹介しておきますと、万田坑でピーク時の35%、それから宮原坑でピーク時の32%ということで、やはり同じように落ち込んでおります。それから話が出ました群馬県の富岡製糸場につきましても、ピーク時から48%、134万人から63万7千人ということで48%まで落ち込んでおります。これにつきましては、どこの世界遺産の登録の資産を持つ自治体にとっても共通の課題ということで認識をしております。なぜ、こんな一時的になったのか、その落ち込んだのかという分析は、そこまで詳しい分析は、現在のところまだそこまでやっていないのが現状です。 ◆12番(五嶋映司君) 分かりました。それでは次の項に移ります。3番目に今そういう状況の中で、宇城市は将来この世界遺産をどのように活用して、宇城市の活性化にどう活かそうとお考えになっているか、将来構想があれば伺いたいと思います。 ◎教育部長(吉田勝広君) まず、世界文化遺産の保全についてお答えいたしたいと思います。 三角西港は、先ほどもありましたとおり、平成27年7月に明治日本の産業革命遺産の23の構成資産の1つとして世界文化遺産に登録をされました。その後、同じく登録された8県11市の自治体で構成される協議会を基盤として、内閣官房の指導を基に世界遺産として求められる資産の保全を中心に取り組んでおります。 具体的には三角西港修復・公開活用計画を策定し、定期的なモニタリングを実施した上で、き損箇所を修理し、必要に応じた文化財の修理対応を計画的に行っているところです。また、水路のしゅんせつなどを行い、文化財の劣化要因の除去と景観の保全を行っております。 今後においても、策定した計画を基に世界遺産の価値を担う資産の保全を継続し、他資産に遅れのないように適正な管理保全を行います。また、ユネスコの方からインタープリテーション、いわゆる分かりやすく伝える共通展示の整備を勧告されております。その中では、来訪者に対する適切かつ十分な解説はもとより、構成資産間のつながり、特に同一エリア内のつながりと位置付けの理解を促進することが求められております。三角西港を含む三池エリアは大牟田市それから荒尾市の所管資産により構成されており、3者の連携を強化することが必要とされています。現在、本市を含む3者による三池エリアおもてなし協議会が設立されており、その十分な連携と活用により、今後の事業を推進していく必要があると考えております。 なお、今後の主な施設整備の予定としましては、令和2年度に旧三角海運倉庫耐震改修工事、それから令和5年度に龍驤館の耐震改修工事を計画しているところでございます。 ◆12番(五嶋映司君) 企画部の将来構想あるなら。 ◎企画部長(中村誠一君) それでは、将来展望ということで西港施設の今後の利活用についてということですので、企画部で答弁させていただきます。 西港の施設の利活用につきましては、浦島屋や高田回漕店をはじめとする西港、それから海のプラミッドなどがあります東港の施設の利活用を促すために、関係機関である県の港湾課それから宇城地域振興局と今協議を重ねているのが現状です。 さらに、今年6月に策定いたしました宇城市観光振興戦略に基づきまして、レゴブロック子どもが遊ぶおもちゃですけれども、レゴブロックを使ったワークショップとか、子ども向けの体験プログラム、それから飲食機会を増やすということで、そちらの方を図るなど、来訪者の満足度を向上させ、リピーターの確保につなげてまいりたいということで考えております。 ◆12番(五嶋映司君) 今、両方でおっしゃったように、指定された世界遺産をしっかり維持する、それを守るという意味では、教育部の方針おっしゃったようにしっかりやっていただきたいと思います。ただ、今回次の項も含めて移りますが、今この三角の世界遺産を利活用といいますか、宇城市の観光地の1つであるのは間違いないと思うんですが、それに余り力を入れると言ったらちょっと語弊があるかもしれませんが、今実質で2億幾らですが、3億円近く投資をして、その費用対効果というのは言っていいかどうかというのはちょっと疑問ですが、そういう意味では思ったほどどこの世界遺産も同じように伸びない。遺産として保全することは非常に大事なことですが、伸びない。ところが今回この世界遺産の中に、臨時議会では約1億4千万円の過疎債を使っての整備ということでしたが、今回質問にあたって伺いましたら、総額では9,200万円ぐらいというような数字が出てきております。これはいろいろなことがあったと思いますが、こういうものをかけて、果たしてどういう効果があるのかというのを非常に私は疑問に思っております。その構想その他については、今言われた中には観光構想とかあそこでイベントをやるとか、何をやるとかというのは構想に入っていないから、この駐車場にするという必要性の論点も多少ぼけているかもしれませんが、その問題は抜きにしてこの問題で考えたいのは、結局あそこをやるために、新たに約1億円近くをかけてやる。そして得る不動産の価値は3千万円にならないのかなというような感じがします。そうすると約6千万円ぐらいは、過疎債という債で宇城市が出すのは3割ぐらいですから、しれてる数かもしれないですけど、結果的には税金の無駄遣いじゃないのかという気がしてしょうがないんですが、土地の取得は更地原則です。今のあそこを取得するために1億円近く金を使って、宇城市が得る実質価値は3千万円もならないというような状況を考えると、この6千万円近くのお金はどういう具合に考えているのか。僕は税金の無駄遣いじゃないかという気がしてしょうがないんですが、どういう具合に考えたらいいかというのにどうお考えになっているか、その辺の見解をまずは伺っておきたい。 ◎市長(守田憲史君) この三角西港の世界遺産獲得にあたっては2億数千万円ではありませんですね。人件費を含めたら5億円ぐらいになるかもしれません。それをもってしても、やはり私は宇城市民の方々は、もう自分が市長になる前からでございますが、やはり世界遺産を望んでいただいた。それは三角町の方々の誇りでもあり、宇城市民にとっても誇りである世界遺産。世界遺産というのは、観光とか費用対効果ではなくて、その観光ストレスという言葉があるんです。観光自体は、世界遺産保存にとってはマイナスなんだという基本的な考え方です。その中で、我々は宇城市民は、そこの世界遺産を守りながら、我々の世界遺産という価値ある文化的遺産を今後守っていこうという、その気持ちとそしてその誇りを大切にしたいと思っております。世界遺産になったときに、公園が50万人と言われました。地震その他で20万人を切ったと言われております。そのときの費用対効果は、旅館業・ホテルは余りありませんので、あそこのお土産屋がかなり伸びました。3倍4倍に売上げが伸びましたが、1人の職員を余計雇えばよかったかもしれません。それで地震になって全く減りました。そのときに1人の職員を減らすぐらいだったかなと。経済的波及効果が余りないかもしれません。それでも我々は世界遺産として守りたいという気持ちで今後西港に対応しなければならない。費用対効果ももちろん今後の観光の振興は大切ですが、主たるところとして費用対効果はそもそも望めないものであろうと考えております。その中、五嶋議員の御指摘の今回のあのラブホテルの買収のうんぬんについて、最終的に更地に残ったときに、その資産的価値は固定資産税からいったら2,500万円です。じゃあ税金の無駄遣いか、そうではありません。あそこにあのラブホテルのギラギラしたネオンがあって、またあれが4千万円で売りに出ていて、また新しい人が買ってまた新しくラブホテルを経営なさったら、それはあの全体を見たときに本当に世界遺産としてふさわしいものであるか、それを全体として考えたとき、宇城市民の誇りとしての世界遺産を守らんがためには、やはり今回1億4千万円ですが、9千万円ぐらいに辛抱してすることができました。今後、我々の誇りを大切にしたいという基本的な考え方からの今回の予算措置であろうと。その中で議会の方々の御了解を得たと考えております。 ◆12番(五嶋映司君) 世界遺産についての見解は、市長と一緒です。大事です。遺産としてはしっかり守らなければいけない。しかし、それに余りにも次の効果を得すぎてやることはどうかということ、特に今回の過疎債を使ってのやり方については疑問を持っています。この点はもっとここの場で議論しても尽きることはありませんので、もっとしっかり議論の場をつくりながらやっていきたいと思います。 それでは、最後に入札結果についての質問に移ります。この3年ほどの入札結果をネット上で公開されているものを集めたり、1つはネット上に公開されていない、消えてしまったものがありますから、担当課に出していただいて調べてみました。電子入札によって多少の入札の形式が変わったのかなという、数字の見方も多少はできました。ただ、問題なのは、時間がありませんので進んでいきますが、入札率が低いものがかなりあります。例えば、これは執行部とも打ち合わせしたときに、全部の入札をやると余りにも広すぎるので、執行部でも平成30年、2018年だけに絞ってやりませんかとおっしゃっていたから、2018年の分だけに絞ってやると、入札率が20%を切るものが2つあったり、50%を切るものもかなりある。60%を切るものがもうかなりあります。ということは、入札は、基本的には8割を切るとなると最低価格を出すと引っ掛かるような感じがしますが、こんな低いのがかなりあるんですが、まずは、この何でこんなことになるのかということの説明をお願いしたい。 ◎総務部長(成松英隆君) 繰り返しになるかもしれませんが、平成30年度のデータに基づきまして、各業種ごとの平均落札率をまず申し上げたいと思います。 工事97.0%、業務委託91.18%、物品・その他76.86%となっております。特に、物品・その他の落札率がほかと比較した場合は、低い状況でございます。平成31年2月に実施されました宇城市農業就業改善センター機械警備業務委託の20.73%が一番低くて、それから50%未満の落札率が11件、物品・その他の入札全体の11.22%を占めております。 このいわゆる低落札率は、予定価格の設定の仕様書と作成などが大きく関係して影響しているところがございます。 まず1つは、仕様書で汎用品を求める場合、かなり広い範囲、多様なメーカーから商品が該当することになりますので、各メーカーでどこが強いというのがございますので、価格にも大きく影響します。また、反対にメーカーを指定した商品となりますと、特定物品となりますので差はほとんど生じません。 予定価格の設定ですが、予定価格は、契約の目的となる物件または役務について、取引の実例価格、需給の状況、履行の難易、数量の多寡等を考慮して、適正に定めなければならないと宇城市では定めております。 一般的には、物品等につきましては見積りを徴収します。例えば、3者から見積りを徴収しまして、A者が400円、B者が300円、C者が200円だとしますと、予定価格のときは平均値を採用しますので300円となります。ほかのところが、うちは見積りはそうだけど、今回数量が多いからいっぺんに入れたいとかそういうことをされると、企業努力で入札が150円とかで入ってきますと落札率が50%ということになり、下がってくるというのが物品の現状ではないかと考えております。 ◆12番(五嶋映司君) 今相対的な細かい説明をしていたら議論になりませんので、まず言いたいのは、いわゆる軽微の入札は、かなりの部分が落札が20%台です。水道のある資材については、ずっと前から50%ぐらいのがいくつもあります。道路の舗装資材のやつは、これもかなり前からのやつで、これも50%ぐらいのがある。例えば、水道器具なんていうのはちゃんと積算ができるはずですよね。軽微もできるんだろうと思いますが、これ担当課は何をやっているんだという雰囲気なんです。こんな金額で落とされて恥ずかしくないのかというような感じですね。その辺はちょっと時間がありませんので、非常に疑問に思うんですが。それならちょっと1つだけの点で、例えば、ある道路維持の補修材料を納入した会社があります。これが平成30年度に60.1%で落としています。これは4、5年前に見ると30%ぐらいのやつが何件かあっている。何でこんなことがあるのか。これはちゃんと計算できるはずじゃないかというような気がするんですが、その辺では、もしこれは積算の担当課じゃないと分からないから、積算の担当部局が答えられたらお答えをいただきたい。 ◎土木部長(成田正博君) 今五嶋議員がおっしゃいましたのは補修材、道路の陥没とかに埋めるパッチファルトのことかと思います。これに関しましては、一応単価が毎月出ます建設物価、その単価。それと経済調査会、これも毎月なんですが積算資料に出ています。この単価は毎月出ますので、それの平均をとって入札します。それが今回50%とか60%になっておりますが、これは大量に発注します。大体年間4,000袋ぐらい購入しますので、これは業者の1袋よりも多く売れるスケールメリットが大きな要因で、さっき総務部長が申しました物品に関しましては、底がありません。最低制限がありませんので、品質確保の点で仕様書にはうたってあります。こうこうこういうものを納入してください、仕様書に満足できない商品は返還しますよというような仕様書にもうたっておりますので、適正な物品を納入していただいております。市としましては、安く良質なものをいただければ、それが一番というふうに思っています。 ◆12番(五嶋映司君) 時間が無くなりました。今言われたことは分かりますが、どう見ても、どうも勉強不足じゃないかというような気がしてしょうがありません。それともう一つは、例えば20%台なんていうのは、果たしてこれ競争入札すべきなのかどうか、是非、これは入札方法を考えていかなければいけない問題があるんじゃないか。時間がありませんので、是非、そういうことを問題提起して、もう少し詳しくは次回の質問にしたいと思います。ちょっと質問がいろいろなところに飛んでしまって申し訳ありませんでしたが、これで私の一般質問を終わります。 ○議長(長谷誠一君) これで、五嶋映司君の一般質問を終わります。 ここで、お諮りします。一般質問の途中でありますが、本日の会議はこれで延会にしたいと思います。御異議ありませんか。            [「異議なし」と呼ぶ者あり] ○議長(長谷誠一君) 異議なしと認めます。 したがって、本日はこれで延会することに決定しました。 本日はこれで延会します。             -------○-------               延会 午後2時01分...